松山市に関連する怪談が
どんな伝承か
三上千蔵という人が伊予を旅して聞いた話。松山城にあった松山聯隊の医務室に狸が出るという。日露戦争へ出征する前、第三中隊の全員が部屋を空にして外へ出、揃って写真を撮った。すると右側の開いた窓から、髪を長く垂らし、人間なら乳のあたりまで身を乗り出した、女とも見える者が写っていた。歯はまことに真っ白だったという。それは決して人間ではなく狸で、その中隊が写真を撮るときには必ず写っているのだと語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。