とつて六九才になる母が一七、八才の頃であつたそうです
どんな伝承か
新潟県十日町市川西町千手村に伝わる話。長岡から来た産婆の木島さんが石沢家に宿をとって開業していたところ、ある秋の夜更け、二人の男が訪れ「お産で苦しんでいるから」と急いで真人の扇屋という宿へ連れて行った。難産の末に無事子が生まれ、木島さんは分娩料や反物、蕎麦の礼を受けて帰った。翌日、扇屋の縁者とされた春日の家を訪ねると、そのような出産はなかったと言われ仰天する。着物の背やすそは土だらけで獣の毛がついており、木島さんは自分がムジナのお産を取り上げたのだと悟ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。