雌猫を連れ帰った雄猫ミサノリ
どんな伝承か
昭和五五年の秋から初冬にかけての出来事。三年ほど飼っていたミサノリという雄猫が、秋の終わりにふいと家を出たきり帰らなくなった。初冬に入ったある日、みすぼらしい雌猫を連れて戻ってきて、二匹並んでスチームの上で眠っていた。ミサノリは大好物のイカさえ自分より先に相手に食べさせる。家の者が図々しい野良だ、情けないミサノリだと陰口をきいていると、ミサノリは雌猫を置いて出て行ってしまった。しばらくは様子を見に来ていたがやがて来なくなり、残された雌猫も半月ほどで姿を消した。菊池隆子が寄せた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。