蛍になっておいでと葬られた猫
どんな伝承か
日本画家の小野怡は、飼っていた猫「宇宙」を何枚もの絵のモデルにしていた。その宇宙が昭和六一年の夏、車にはねられて急に死んでしまう。小野は亡骸を氷の上に横たえ、何枚も何枚も写生を重ねたうえで、蛍にでもなって帰っておいで、と語りかけて庭に葬った。翌年の夏、庭の茂みに蛍が三匹あらわれ、毎晩のように飛びかったという。宮城県の小野和子が書き送った話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。