音だけ響いて倒れてこない天狗倒し
どんな伝承か
藤原では、山で木を伐る音が響くのは天狗の仕業だとも、むじなのいたずらだともいわれてきた。語り手は十四、五年前、ぜんまい採りに入ったころによく耳にしたという。まずパチ、パチと鉞で木を打つ音が続き、やがてワリワリと裂ける音に変わる。最後にバサーバサーと倒れる音まで聞こえてくるのだが、実際には木は一本も倒れていないのだそうだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。