喜如嘉
どんな伝承か
沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉の話。話者の生家は現在の四班の屋号前口で、その裏側にはジックン(やぶにっけい)の大きな木があり、シバサシー(旧八月十日の魔除けの祝祭日)の前後になると、この木を根城にして裏側の水田にブナガヤがよく出没した。色は赤く小さかったという。時々は粥鍋の蓋を開けて御飯粒を吸いとり水だけにしてしまい、その残り水はすえて食べられなかった。困った母が、ブナガヤは相談を聞き入れるけだものだと教えこまれていたので、御願をして中ゥンダ山へ移住してもらうよう頼み、自ら案内して行ったところ、以後被害は全くなくなった。前口ブナガヤと呼ばれる有名な話だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。