黄金山
どんな伝承か
昔、大宜味村の田嘉里屋嘉比の山口という家の先祖が奄美大島へ航海した折、種子島に寄った。ある夜、島主の娘と名乗る女が訪ねて来て、好きな男の子を宿したが父が仲を許さないと訴え、琉球へ連れて行ってほしいと願った。山口は、子が生まれたら男が迎えに来る約束だと確かめて船に乗せ、女は屋嘉比まで来て、やがて元気な男の子を産んだ。村人は森の中のほらあなに住む女に同情して迎えの船を祈ったが、女は病に伏し、ある日一人で起き出して持っていた黄金を森の中に埋め、間もなく死んだ。黄金を埋めたのでそこを黄金山と呼ぶ。田嘉里あたりの人はこの子の子孫だといい、氏神として黄金山で祭りをし、旧七月の第二の戌の日には村芝居をして種子島の女の肖像を掲げ礼拝するという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。