幡多郡西土佐村で語られた話
どんな伝承か
語り手の親父は西ヶ方から養子に来たという。その親父の父、つまり語り手の祖父が親父を連れて、四万十川の枝川で伊予から流れて来る吉野川へ網を下ろし、鮎を取っていた。ずいぶん多く取れて大喜びしていると、急に舟が揺れ始めた。祖父がよく見ると、猿猴が舟の底を担ぎ上げている。祖父は怒って船竿で怒鳴りながら水を強く叩いたが、止まるどころか一層ひどく暴れて舟が転覆しそうになり、色を失って逃げるように戻ったという。追い詰めた鮎を一網打尽にされた猿猴が悔しがったのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。