やろか水
どんな伝承か
加茂郡太田町(現・美濃加茂市太田町)では、二、三百年前の長雨のとき、木曽川の上流から「やろかやろか」という声が聞こえたと伝わる。誰の声とも知れぬまま村人が「よこさばよこせ」と叫び返すと、みるみる増水して太田の町の人家に浸水し、大洪水となった。この大水を「やろか水」と呼ぶ。下流の愛知県草井村小淵や犬山町にも同じ伝えがあり、犬山では貞享四年八月二十六日の増水の際、対岸の伊木山下の淵から同じ声がしたと記録されている。
原典より
二三百年以前、日々の雨續きのとき、木曾川の上流で「やろかやろか」といふ聲がする。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。