矢筈権現を祀る奇峰で
どんな伝承か
『東作誌』に載る矢筈山の伝説。岡山県苫田郡の東加茂村か、旧公郷山下村(現津山市)にあり、矢筈権現を祀る。国中無双の一奇峰で、頂上の石は矢筈のようで、一山の砂石はことごとく凹みがあって矢筈の形をしているという。また、この山に棲む兎・猿・猪・鹿の類は、耳や尾などが裂けて、さながら矢筈のようであるといい、山中でたまたま古い矢を拾うことがあるとも伝える。矢筈権現の霊験にちなむ奇異が、山や動物の相にまで及ぶと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。