太陽を追い越そうとした韋駄天
どんな伝承か
安房郡富山町には、駆け足の名人の話が伝わっている。若林清の民話百選によれば、むかし韋駄天と呼ばれるほど足に自信のある男がいた。あるとき里人が夕焼けの空を眺めながら、いくら足が速くてもお日さまには追いつけまい、と言った。男はなにくそと西へ向かって走り出す。やがてあたりは真っ暗になったが、なお走り続けて一夜が明けた。朝日が東の空に昇りはじめ、男の影が長く地に伸びる。男は得意げに振り返り、おれの足は速すぎたか、お日さまはまだ後ろにいる、と言ったという。
原典より
房総の笑い話は無限のように伝承されている。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
編『房総の年輪』を全93話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。