宿の礼にムジナが残した筆跡
どんな伝承か
ムジナが書いたという筆跡が、富津市の内野家に伝わっている。南無八幡大菩薩、亀暦七歳と記された一幅である。むかし清澄山に棲んでいたムジナが旅に出たくなり、おくげさんの姿へ化けて、村送りで山を越えながら江戸を目指した。鹿野山の麓の佐貫の宿まで来たところ、名主の内野兵右ヱ門のもてなしがよほど嬉しかったとみえ、遠洲屋という宿でこの書を贈ったという。ところが姉崎まで行ったところで、人払いをして食事をとる様子から正体が知れてしまったと伝えられる。
原典より
ムジナとタヌキは同一かどうかという論争があったが、とにかくムジナの書いたという筆跡が、富津市含富里の内野美三夫氏方に伝えられている。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
編『房総の年輪』を全93話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。