西播新宮村・七兵衛の呼ばわり
どんな伝承か
『西播怪談実記』に見える話である。揖保郡新宮村の民七兵衛が山へ薪採りに行ったまま還らず、親兄弟が嘆き悲しんでいた。二年を経たある夜、村の後ろの山に来て、七兵衛が戻ったぞと大声に呼ばわる者があった。人々は喜んで近所一同で山へ走ったが、麓に行き着く頃までは声がしたのに、登ってみるともうどこにもいなかった。天狗の下男にでもなったのかと村では話し合っていたが、その後この村から出て久しく江戸にいた者が東海道を帰る途中、興津の宿とかで七兵衛に出逢い、互いに言葉を掛けて別れた。それきり風の便りも無かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。