相良の少年、納屋に吊さる
どんな伝承か
大正十五年二月の国民新聞に出ていた話である。遠州相良在の農家の十六になる少年が、夜中の一時頃に便所に出たまま戻らない。しばらくすると悲鳴が聞こえるので両親が飛び起きて便所を見たがいない。声を辿って行くと、戸締まりをした隣家の納屋の中に、兵児帯と縄で両手足を縛られ、梁から兎吊りに吊されていた。早速引き下ろして様子を尋ねても、便所の前に行ったところまでは覚えているが、その先は少しも知らないという。納屋には錠が下りており、親たちは捻じ切って入った。周囲は土壁で、何者も近寄った様子が無かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。