尾張犬山・美濃太田のヤロカ水
どんな伝承か
大雨が降り続いていた頃の真夜中、対岸のどこかの淵のあたりから「遣らうか遣らうか」という声がしきりに聞こえた。土地の者たちは気味悪がって皆逃げてしまったが、たった一人だけ「いこさばいこせ」と答えたところ、たちまち川の流れが増して、あたり一帯の低地を海のようにしてしまったという。尾張の犬山でも美濃の太田でも、洪水のあった年代は違ってもこの「ヤロカ水」という呼び名の由来は同じだと伝えられ、明治初年に入鹿池の堤が切れた際にも同様の怪異があったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。