秩父山村のヤドゥカ(高野聖)
どんな伝承か
柳田国男が『山の人生』の中でも触れているという、秩父の山村に伝わる話である。秩父の山村では、五月、麦の穂が高く伸びるころに、子供が神に隠される、いわゆる神隠しに遭う者が最も多かったという。その隠す怪異はヤドゥカと呼ばれていたが、ヤドゥカとは実のところ高野聖のことであった。胡散臭い旅の僧には違いないが、要するにただの人間に過ぎない。それでも恐ろしくないとは言えないのは、それにもかかわらず子供が実際に隠されてしまったからである。この不思議の根源は、もう少し奥深いところにあるように思われるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。