杖立木
どんな伝承か
伐れば祟りがあるという聖僧杉がある。昔、雪の日に高野聖の僧が道に迷い、この地で行き倒れて死んだ。そのとき僧が突いていた杖が芽を生じ、やがて育って聖僧杉になったと伝える。恨みを残した亡霊が杉に宿って祟るといい、里の者はこの木を伐ることを恐れたという。同じ引ヶ谷には、聖僧が行をして立てた杖から根が生じ成長したという、枝が下を向いた聖杉の伝えもある。親条の作東町宮原に伝わる伊勢神女の逆さ杉と同じく、旅の宗教者が地に挿した杖が根づくという杖立木伝説の一つで、こちらは霊木の祟りを説く形をとる。『岡山伝説集』所収。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。