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坊津秋目の花瀬見物

所在地鹿児島県南さつま市坊津町秋目
年代不明(近世の習俗)
登場里人
出典定本柳田国男集 第1巻

どんな伝承か

久しく疎まれた南方の海にも、静かな文明の成長はあった。薩摩の坊津・秋目の浦々では、暮春初夏の凪の日に花瀬見物と名づけて小舟を漕ぎ出し、遠く岬の外の澄み透った潮の底に、青赤黄紫さまざまの岩の立ち並ぶ風情を賞美しに行くようになった。七島や大島でも磯があれば種々の砂を沖から吹き寄せて、いつとなく処々の兼久(砂原)を作り、今見る多くの村里はその兼久の上に立った。港の奥が豊饒な田となったのも、ひる木の林が次第に入江を蔽うて茂ったのも、ことごとく大潮が荒海の怒りを鎮めた力であった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)

柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。

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