厳木・教良木の清らな木の地名
どんな伝承か
若い頃に初めて北九州の土を踏んだ際、厳木と文字には書いてケウラギと呼ぶ停車場のあることを知って、このケウラは清らであり、しかも神聖なる木の在る処の意であろうと気が付いた。天草上島の同名の村は教良木と書き、そのほかにも京良木と書く部落の名が東の方にいくつかあり、別にまた甲州富士川沿いの古駅の名に教良石というのがあることを思い合せて、いずれも皆信仰に伴う伝説をもつ樹木・巌石の所在地であろうと早合点をして「郷土研究」に発表してしまった。そういう特例もあって差支えはないけれども、それだけでは近江の紫香楽や肥後の百済木などは説明ができない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。