狐穴に餌を配る天籟寺のノーセンギョウ
どんな伝承か
北九州市戸畑区の天籟寺はもともとキツネの多い土地で、周囲の丘陵の谷口には狐穴がいくつも口を開けていた。明治のころには、夕暮れに牛を追って畑から帰る百姓の後を、キツネが同じ間合いを保ったまま家の近くまで付いてくることが珍しくなかったという。そのためかノーセンギョウと呼ぶ行事があり、寒の内にアズキ飯へ油揚げを添えて狐穴の口に置いて回った。大正から昭和の初めにはおセキさんという野狐使いがいて、その人を中心に信者が熱心にこの行を歩いた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
北九州市編『北九州市史 民俗』を全354話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。