正直な乞食を弔う平蔵地蔵
どんな伝承か
南品川の海雲寺に平蔵地蔵という像がある。鈴ヶ森の刑場のあたりで暮らす平蔵という乞食が、南品川の町はずれで百両を超える金を拾った。平蔵はその金をそっくり落とし主の武士へ返し、礼としては二日分の稼ぎにあたる六百文だけを受け取った。この顛末を二人の仲間に語ったところ、酔った仲間になぐられて命を落とす。事情を知った武士は亡骸を葬り、その場に地蔵を建てたと伝えられる。荒縄で像を縛って願をかけると、その願いはかなうという。
原典より
品川区南品川の海雲寺には、平蔵地蔵というものが祀られている。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊)
大島建彦・渡辺千佳子『武蔵の伝説』(角川書店「日本の伝説」シリーズ・昭和51年=1976刊)を全799話・伝説単位で収録(巻頭「はじめに」は除く)。旧国「武蔵」=東京都・埼玉県および神奈川県の一部(川崎・横浜など)にまたがる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事 の八部門に分類して集成する(内訳 東京都371・埼玉県353・神奈川県75話)。