吉屋チルー
どんな伝承か
吉屋チルーは、誰彼には呼ばれないほどのたいそうな遊女だったという。金のない青年が会いに来たので、代金はいくらだがお前は持っているのかと問うと、持っていないと答えた。チルーは可哀想に思い、「一日五十文、百日に五貫ためて、私の宿に忍んでいらっしゃい」と歌に詠んだので、青年は泣く泣く帰って行った。それから一心に働いて百日のうちに五貫の金をこしらえたが、吉屋はもう人に引かれていなかった。そこで「一日に五十文、百日に五貫、ためてある金はあだになるのだろうか」と吉屋の裏座の入口で詠んだところ、吉屋が出て来て、それで呼ばれたという話もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。