野焼きを断られた大蛇の祟りと蛇権現
どんな伝承か
安政三年十二月のある日、黒荷田の集落では大戸野の野原に火を入れることになっていた。その夜、庄屋の黒木清左衛門のもとに女が訪ねてきて、自分は大戸野の野に住む者だが子供二人が重い病なので明日の野焼きを延ばしてほしいと泣いて頼んだ。庄屋は取り合わなかった。焼き払ったあとには、大蛇と二匹の子蛇の死骸が転がっていたという。その晩から庄屋の家には不幸が続き、清左衛門は半身不随となって死に、家族も次々に病で失われた。集落には疫病と飢饉が起こった。そこで蛇が死んだ場所に祠を建て、蛇権現として祀った。蛇の死から七年目のことであったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。