輿入れの途中で蛇となった姫
どんな伝承か
四百年ほど昔、豊後竹田の城主に、きよや姫という美しい娘がいた。姫は阿蘇家の仲立ちで菊池家へ嫁ぐことになり、六人の侍女を従えて輿入れの途につき、小池で休息をとる。ところが姫はそのまま雄池に身を投げ、水の中から蛇の姿を現した。侍女六人もそれぞれ別の池へ入り、蛇となったという。この凶事を聞いた菊池家の迎えは途中から引き返し、その場所は車帰りと呼ばれるようになった。姫の棲む池には下野の池の雄蛇が通って睦まじくなり、やがて小池野の池へ移ったと伝わる。七つの池は侍女の名にちなんで雄池・雌池・紅池・寄池・津保池・栗池と呼ばれ、村では旧暦十一月十八日に竹筒へ入れた甘酒を供え、小池のお池祭として祀っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。