大浪の池
どんな伝承か
穂北郷の豪族仁右衛門とサキの夫婦は子宝に恵まれず、近くの水神に祈願して娘お浪を授かった。お浪は郷きっての美女に育ったが、両親はその身辺に不審を覚えるようになる。ある夜、仁右衛門があとをつけると、屋敷から一丁あまり南の池に白馬がおり、お浪が飛び乗ったのを追ったが見失った。翌朝帰宅したお浪は、竜の化身であるわが身の因果を語り、霧島山の大池へ参りますと別れを告げた。娘恋しさに大池へ旅立った母が呼ばわると、湖上にお浪の姿が浮かんで最後の別れを告げたという。夫婦は銀杏の木を杖にして帰り、庭にさすと大銀杏になった。その根もとに建てた墓は、南向きが、いつのまにか大池をめざして西を向いていたと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。