琵琶石
どんな伝承か
琵琶石の類話。目の見えなくなった祖父と孫娘の静香が暮らしていた。静香は祖父の目を治したい一心で、洗い物や使い走りに働き、村の溜池の蓮の花などを売って暮らしを支えた。ある日、川に落ちた祖父を通りがかりの男が助け、祈禱すれば目は開くと持ちかける。娘は米十俵と小判十枚を男に納め、代わりに一年の奉公へ出た。だが祖父の目はかえって悪くなり、米も金も男に奪われただけだった。ある日、仏壇の蓮の花がふいに落ちる。静香はついに帰らなかった。盲いた老人が大串や瀬川の村々を娘の名を呼びながら琵琶を弾いて歩き、あるとき娘の声を聞いた。その翌日、老人は琵琶を抱いたまま波打ち際で死んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。