黒髪山の大蛇退治
どんな伝承か
昔、近所の百姓の娘が池の縁を通ったところ、水中から大蛇が出て娘を呑んだ。親は供養のため人々を頼んで池水を掘り落とし、池は干潟となった。隠れ処を失った大蛇は大木に巻き登り、目を鏡のように輝かせ、家々は激しい雨風に戸壁を吹き破られた。訴えを受けた直谷城の山城守は、蓮ノ池から来ていた古城筑後に退治を命じる。筑後は下人一四人、足軽三〇人を率い、南無日輪摩利支尊天と唱えて大蛇の目を射抜き、部下が刺し殺した。長さ三丈あまり、一頭八尾の大蛇であったという。筑後は頭と八尾を池の辺に埋め、褒美に志佐郷の田地五町八反を賜わった。その地が今の池成である。のち大蛇の霊のあたりに災害が続いたので、骸を池の下の山に埋め八尾大明神として祀ったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。