あまんじゃくと道空
どんな伝承か
佐伯郡大柿町の話。昔ある所に一人の息子があって、親の言うことにはみな反対ばかりしていた。右といえば左、左といえば右という有様で、村人はアマンジャクというあだ名をつけた。父が死んでも、死体は山へ埋めるといえば海へ捨てるといい、海へ捨てるといえば山へ埋めるという。そのうち母が病気になり、私が死んだら遠い海の中へ墓を建ててくれと言い残した。遠海といえば近い陸に建てるだろうという心づもりであった。ところが母の死後、息子は母の最後の遺言だけは守ろうと海の中に墓を建てた。その墓は今でも廿日市と五日市の間の島にあるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。