蛇の池
どんな伝承か
平郡島の最西端、波打ち際から十数歩の所に面積三町歩ほどの池がある。海のすぐそばながら塩分を含まぬ淡水であるのも不思議とされ、これが名高い平郡の蛇の池である。寿永の昔、屋島に敗れた平家の一部が室津半島の池の浦の潟に潜んだが、源氏に尋ね出されて潟は修羅場と化した。潟の主は釈迦如来の使者という大蛇で、住み慣れた潟を出て山に上った。その日の夕方、室津湾から平郡へ渡る漁船に十八、九の美しい娘が同乗を求め、礼に舟一杯の獲物を得させようと言った。娘が上陸した西平郡の波打ち際には、無かったはずの池ができていた。網を入れると舟一杯の魚が獲れたが、約束を破って二度目の網を入れたところ、獲物はみな蛇に変じたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。