炭焼長者の娘般若姫の入水
どんな伝承か
大畠町に伝わる般若姫の一代記。継体天皇のころ、豊後の炭焼小五郎のもとへ、三輪大明神の託宣に従って奈良の大臣の娘玉津姫が嫁ぐ。淵で身を洗った二人は美しい姿となり、富み栄えた。屋敷の落成を祝う宴の最中に月の情が宿り、生まれたのが般若姫だという。並ぶ者のない美女に育った姫を橘豊日御子が望み、父には満野長者の号が贈られた。御子は牛飼の山路と名を変えて長者の館に入り、笠懸の神事で姫の病を癒して妻に迎える。御子が都へ戻ったのち、玉絵姫を産んだ般若姫も百二十隻の船で後を追ったが、たびたびの嵐で人も船も失い、守り本尊の千手観音を海に沈めて祈った末、みずからも海に身を投じ、十九歳で世を去った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。