熱灰に一本足の跡を残した牛鬼
どんな伝承か
尾鷲市の曾根町に伝わる話。室町の末ごろ、曾根の港には夜ごと牛鬼が現れ、人の尿を飲みに来るというので村人は恐れていた。ある夜、一軒の家が戸締まりを忘れて寝入ってしまうと、牛鬼が忍び込み、囲炉裏の熱い灰の中へ落ちた。悲鳴をあげて逃げ去ったあと、家の者が起きて見ると、灰の上には一本足の足跡がくっきり残っていたという。村ではふたたび牛鬼が来ないようにと、地蔵燈籠を建てて祀った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。