牛鬼滝
どんな伝承か
県道三瀬大杉線沿いの上真手・本田両区の境を流れる浦谷川に本真橋が架かり、そこから約二キロ奥に高さ五メートルほどの滝がある。滝つぼは二つあり、一つは昔は真青な水をたたえ、両側にシイ・松・杉の古木が茂って昼も暗く、恐ろしくて近寄れなかった。これが牛鬼滝で、村人は今も近寄らない。昔、牛を連れた女が浦谷へ行く途中、この滝の上の絶壁で牛が何かに驚いて暴れ、女も牛も滝淵に落ちて惨死した。以来夜ごと髪を乱した女と牛が現れ、山上ヶ岳へ参る人や浦谷・飯南へ通う人を驚かせたが、諸国を巡礼してこの地に泊まった高僧に祈とうしてもらうと消え失せたという。もう一つの円筒形の滝つぼは底知らずといわれ、大台の池の底に続き、正月元日の未明には大台ヶ原に住む片腹のヒゴイが泳いでいるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。