河太郎の証文
どんな伝承か
滋賀県高島郡高島町(現・高島市)の鴨川橋があるあたりには、昔、細い木の橋がかかっており、銭取橋と呼ばれていた。ある人が夜遅くこの橋を通ったところ、突然がわ太郎(河童)に袴の裾を引っぱられた。振り離そうとしても離さないので、刀を抜いて切り捨てると、河太郎の手だけが袴を握ったまま残った。その夜、河太郎が手を返してほしいと頼みに来たが、なかなか返さずにいると、どんな傷でも治せる薬の秘伝を教えるという。そこでようやく手を返してやると、河太郎は喜んで帰っていったという。『高島の昔ばなし』に記された話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。