箒を立てた乞食が竈神になる
どんな伝承か
玉造郡鳴子町の鬼首に伝わる竈神の由来である。昔、ある家に醜い顔をした若い乞食が訪ねてきて、雇ってほしいと願い出た。その家では娘が長く病の床にあり、使用人も足りていたので断ろうとしたが、男が土間へ入るとき、倒れていた箒を隅に立てかけたのを見て、見どころのある者だと思い直し、火焚き男として置くことにした。娘の病は神仏に願っても医者にかかっても治らなかったが、年ごろになって婿を探すことになると、娘はこの火焚き男がよいという。そのとおり婿にすえたところ、娘の病は次第に癒えてすっかり本復し、家もたいそう栄えた。この火焚き男を祀ったのが竈神だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。