名を授かった藤塚の野狐チンチク豊四郎
どんな伝承か
大正のころ、西之保の藤塚には野狐が棲んでいた。当時は県道のあたりまでが藤塚の森で、この狐は女に化けるなどして人をよくからかった。弥勒寺の稲荷講が勤めをして御座立てをしていると、その座に狐が現われ、自分は野狐で名がないから名を付けてほしいと願い出た。先達が今後いっさい悪さをしないかと問うと、狐は決してしないと答えた。そこでチンチク豊四郎という名を授けた。チンチクとはほてい竹のことで、藤塚にはその竹が生い茂っていた。以後この狐は善根を積み、疝を病む人を救ったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史・自治体史(民俗))
『西春町史 民俗編2』第四節ほか所収の霊と神・祈禱・怪異・地名伝説。愛知県西春町(現北名古屋市)に伝わる信仰と怪異を採録する。