荒武者の名を負う口広沢
どんな伝承か
口広沢は脇野沢と小沢の中間より小沢寄りにある沢で、規模が大きく、流域一帯に多くの支流を抱えている。河口には現在、焼却場と採石場がある。この沢をはるか上流へさかのぼると権左衛門の名を負う沢があり、口広沢一帯の山が荒山と呼ばれるようになった謂れが伝えられている。昔、この沢には口広権左衛門という武士が住んでおり、沢の名はその武士の名にちなんで付けられたという。ところがこの権左衛門は気性の荒い人物であったと伝えられ、そこから口広沢の一帯を荒山、あるいは荒い山と呼ぶようになったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。