底のない瓶に水はたまらない
どんな伝承か
「瓶と釣瓶の話」は、貧しい夫婦がどうすれば暮らしが楽になるかと和尚に相談に行くところから始まる。和尚はまず、桶の付いていない釣瓶で瓶に水を汲ませた。したたる一滴ずつではあるが、水は確かに溜まってゆく。次に、底の抜けた瓶へふつうの釣瓶で水を汲ませると、いくら汲んでも一向に溜まらない。そこで和尚は説く。釣瓶は夫、瓶は妻であり、夫婦が助け合い、妻がやりくり上手でなければ溜まるものも溜まらない、女がやりくりを上手にすれば今は貧しくてもやがて余裕が出てくるはずだ、と。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。