下屋敷で生まれた落胤に与えた脇差
どんな伝承か
美濃加茂の牧野に、シモヤと呼ばれる場所がある。ここにはかつて、兼山城主の森武蔵守の下屋敷が構えられていたと伝えられる。あるとき側室とのあいだに子が生まれると、武蔵守はこの刀を遣わすと言って一本の脇差しを与えた。落胤の証として渡されたその刀は、森八十八家に長く伝わっていたが、戦争のさなかに失われてしまったという。いまその家に残っているのは、槍の穂先だけだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史・自治体史(民俗))
『美濃加茂市史 民俗編』所収の伝説。岐阜県美濃加茂市の伊深・太田・蜂屋・三和ほか各地に伝わる口承を採録する。