茶ッ栗柿の真似そこない
どんな伝承か
津久井郡の内郷村(のちの相模湖町)に伝わる、真似そこないの笑い話。ある所に間の抜けた男がいて、遊ばせておくのも惜しいと、茶と栗と柿を売りに出された。男は茶ッくりかきと続けて呼び歩いたが、何を売っているのか分からず、一つも売れなかった。あきれた母親が、茶は茶、栗は栗、柿は柿と別々に言わなければだめだと教えると、翌日男は茶別、栗別、柿別、みんな別と言って歩いたので、ますます売れなかったという。
原典より
すると翌日、その男は「茶別、栗別、柿別、みんな別、みんなべつ」といって歩いたので、なおのこと売れなかった。—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。