金沢谷津の筆捨松
どんな伝承か
横浜市金沢区の谷津には筆捨松と呼ばれる松があった。そこからの眺めがあまりにも美しく、名高い絵師の巨勢金岡でさえ、ついに筆を捨ててしまったと伝えられている。もっとも元禄のころには、狩野派の絵師の筆捨松と呼ばれていた形跡もある。描こうとした絵師が誰であったかよりも、絶景だからこその筆捨松だという意識のほうが、この伝承を支える大きな力になっていたとみられる。
原典より
また、横浜市金沢区谷津の筆捨松は、そのながめのあまりの美しさに、巨勢の金岡も、遂に筆を捨てたといわれているが、元禄の頃には狩野菜の筆捨松といわれた形跡がある。—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。