嫁入りに持たされた衣装箱の棺
どんな伝承か
奄美大島の宇検村平田では、衣装を入れる箱がそのまま棺として使われ、女は嫁入りの折にこれを持って行った。老人は男女を問わず、この箱を用意しておかないと不安で落ち着かないという。幅一尺五寸、長さ三尺二寸、高さ一尺五寸で、檜枝岐や喜入のものより幅と長さがやや大きいが、外側を測った寸法だとすればほぼ同じになる。同じ村の久志では、もと嫁入り道具としてヒツとは別に、同じ形のノリフネと呼ぶ棺箱を作って持たせたと小野重朗は伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。