盆に墓前へ供えるホゲの祭り
どんな伝承か
ホカイという語は各地で形を変えて残っている。青森県上北郡や岩手県の黒沢尻では、盆に墓前で営む祭りをホカイ、ホーカイと呼ぶ。長崎市では精霊棚の隅に供物の残りを置いて外精霊をまつることだけをホーカイといい、奈良県の竜田あたりでは盆の頃に提灯をともして縁先へ掛けることをホーカイ火と呼ぶなど、意味が細かく限られてゆく。青森県西津軽郡の大戸瀬村では、盆に墓前や仏壇へ物を供えてまつることをホゲすると『むつ』第二号が伝えている。祭りそのものを指した語が、土地ごとに特定の行事の名へ絞り込まれていった一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。