水無瀬(みなせ)山中の古池
どんな伝承か
京のはずれ、水無瀬山中の古池には秋ごとに数知れぬ水鳥が渡って来たが、鳥を獲りに行った者で無事に帰った者はいなかった。惨めな水死体となって水草にまみれて浮かぶか、まれに助かった者も「水無瀬山」と聞くだけで顔色を変え、歯の根も合わぬ様子で決して語ろうとしない。院の北面に仕える源仲隆・仲俊・仲康の三兄弟は、麓の水無瀬院に伺候していたころ鳥獲りを思い立つが、院の下心に「あの池には昔から人取りがいて多くの人を殺めている」と必死に止められ取りやめた。しかし次兄の仲俊だけは承知せず、太刀と腰刀を帯び、弓矢を持たせた小童一人を連れて漆黒の闇の中を古池へ分け入って行った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・昭和)
早川純夫『日本の妖怪』。神話時代から江戸まで、日本の妖怪と妖異を歴史の流れに沿って描く。