下田の米国船とコックリ伝来
どんな伝承か
予(円了)が調査したところ、コックリが日本で初めて起こった地は伊豆で、明治十八年にその流行の報道を得たのがコックリ本邦流行の始まりだという。明治十七年頃、アメリカの帆走船が伊豆の下田近くに来て破損し、その修理のため久しく現地に滞在したアメリカ人が、この降霊の法を土地の人々に伝えたとされる。当時下田にいた船頭がこの怪事を知り、その後東西の諸港へ出入りする中で法を伝え、西は尾張・大阪へ、東は房総や京浜の間へと広めたに違いないという。円了はコックリの起源を、西洋の降霊術の一種「テーブル・ターニング」だと考えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
井上円了 妖怪学講義(井上円了(平野威馬雄 編著)・井上円了・妖怪学・明治(原著)・現代(編))
哲学者・井上円了(妖怪博士)の畢生の大著『妖怪学講義』を、平野威馬雄が編んだ普及版。円了は真の宗教信仰の障害となる迷信を打破するため、あらゆる妖しきものの正体究明に一身を捧げ、妖怪を物怪・心怪・理怪に大別し、物怪心怪を仮怪(説明可能な迷信)、理怪のみを真怪とした。本書は理学・心理学・宗教学・雑の各部門から具体例を抄録する。序ではコックリ(狐狗狸)を西洋のテーブルターニング由来の無意識筋肉運動と解明。