霧の日に響く笛と太鼓
どんな伝承か
山の中で急に太鼓や囃子が聞こえてくる怪を、天狗太鼓、天狗囃子という。群馬県碓氷郡松井田町では、雨が降って霧があたりを覆う天気の悪い日に、オヤンザワと呼ぶ場所へ仕事に出ると、どこからともなく「ピイヒャラドンドン」という笛と太鼓の音が響いてきた。特定の誰かにだけ聞こえるのではなく、そこへ行った者は誰でもこの音を耳にするのだという。こうした囃子は気候の変わり目や天気の悪い日に聞こえるという話が多い。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。