駆け落ちの娘が命を落としたおたけ坂
どんな伝承か
間々田の宿にあった旅籠の菱屋に、おたけという評判の看板娘がいた。年頃になって近在の豪農のもとへ嫁ぐことが決まったが、婿の評判がひどく悪いと耳にし、祝言を目前にしたある晩、かねて思い合っていた作男の佐平と手を取り合って逃げ出した。ところが坂道に差しかかったところで、追ってきた父と兄に行く手をふさがれてしまう。脅すつもりで兄が持ってきた庖丁が、はずみでおたけの首に刺さり、おたけは命を落とした。娘を哀れんだ人々は、その坂をおたけ坂と呼ぶようになったという。
原典より
ふとした拍子から、兄がおどしに持って来た庖丁がおたけの首にささり、おたけは死んだ。—— 小山市史 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小山市史 民俗編
『小山市史 民俗編』は、小山市の市史のうち民俗を扱う編である。第九章「祭りと民俗芸能」の終わりで小薬北若連・武井の若連が担う囃子と下生井の囃子を記し、第十章「民話・民謡・ことわざ・方言」では間々田・土塔・粟宮・下生井など市内各地の伝説と昔話を、小山城の落城や小山氏、藤原秀郷にまつわる話を多く含めて紹介する。伝説は自然伝説・信仰伝説・歴史伝説の三つに分け、伝承地を添えた伝説名の一覧と主な話のあらすじを掲げ、昔話は土地の言葉のまま載せる。