咳で追手に見つかった姫を祀る祠
どんな伝承か
土浮には風邪の神として祀られる「おわば様」がある。おわばが何を意味するのかは分からないが、土浮では皇族の姫のことだと言い伝えられている。姫はある男を好きになったものの、身分が違うため添うことを許されず、意を決して男を連れ東国へ落ちのびた。この地までたどり着いて山の草むらに身を潜めていたが、思わず咳をしてしまい、その声で追手に見つかって二人はその場で殺されたという。村人は哀れに思い、そこへ小祠を建てて二人を風邪の神として祀った。臼井の「おたつさま」が咳の神になったのに対し、おわば様は咳ではなく風邪の神となり、村人は風邪をひくと茶と麦こがしを持って参ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。