田で髪を結う老婆
どんな伝承か
忠兵衛の家の祖母がいなくなり、村中で探しに出た。利根川の方へ行ったのかと探しに行くと、村山の下の佐左衛門の田んぼに入って、一心に稲束を寄せていた。『ここにいたのか』と声をかけると、『今髪を結っているのだ』といって、稲の穂を丸めていじっていたという。あれはキツネに化かされたのだと語られている。つい先頃の出来事として、村の者が自分で見たままを語ったものである。
原典より
『あらここにいたんか』っていったら『今髪結ってんだ』といって、穂を丸めていじってたんだよ。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。