表参道まで車が乗り入れる塩釜神社
どんな伝承か
自動車の普及とともに、車体ごと社寺へ乗りつけて祓いを受ける風が広まった。海上安全と安産の神として知られる宮城県の塩釜神社にも、自家用車やバス、トラックが月に平均二〇〇台ほど表参道まで入り込み、祓いを受けているという。運転席に吊るすマスコットも、軒先の呪物と同じ役割を負ったものらしい。祓いや神札を求めて訪れた者たちは、この札があるとなんとなく安心できる、橋から車ごと川へ落ちたが無事だった、身代わりの札を持っていた二人はかすり傷ひとつ負わず持たぬ自分だけが大怪我をした、などと語る。消防車もパトロールカーも例外ではないと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。