警察署の柱に掲げた交通安全のお札
どんな伝承か
秋田県の能代警察署では、交通係主任の背後の柱に市内の日吉神社の札が掲げられていた。毎日新聞秋田版の欄が伝えるところでは、その札は交通関係の業者が同社へ集まり、その年の無事故を祈る祈願祭を営んだ際に配られたものだという。霊験があったものか、祈願祭に列した運転手からはまだ一人も事故を出しておらず、取調べを受けるのはたいてい参列しなかった者ばかりだった。取調べのあとで札の由来を聞かされた運転手が、あらためて札に向かって詫びることもある。事故を起こした運転手や暴走する若者たちにとって、この札は警官以上に恐ろしい存在になっていると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。